WEBのアクセス遅延の見える化

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[1] WEBのアクセス遅延の見える化
[2] WEBサーバにより、オーバーヘッドの遅延差あり
[3] EECの試験自体のパケットキャプチャーを実施
[4] 遅延の原因で、NWの帯域が足りないのか、WEBサーバに問題があるのかの切り分け
[5] まとめ

1.WEBのアクセス遅延の見える化   テストトライアルにJump new

 最近のアプリケーションシステムは、WWWを利用したケースが増えております。
 アプリに近いレベルの試験(url、wget)を行うことにより、通常の死活監視、ポート監視では分からない、お客さまのストレスを見える化します。

システム構成
ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 その1

ポート監視の例 あるWWWサーバへの試験結果。 10月13日
ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 その2

url監視(wget)の試験結果。 10月13日
ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 その3

            凡例 青色:普通 緑:少し遅い 紫:遅い 赤:timeout

上記の表、グラフのとおり、
・ポート監視では、異常は発見できません。
・url監視(wget)では、実際にWEBサーバの情報を取ってくることにより、異常があることが分かります。
(0バイトの情報を入手するオプションコマンドを利用)
⇒ 単なるping監視、ポート監視に比べて、url監視(wget)については、より、お客さまに使用の際のストレス状況を把握することができます。





2.WEBサーバにより、オーバーヘッドの遅延差あり

 WEBサーバの設置環境、アーキテクチャーによって、Basicなレスポンスにも違いがあります。
 次のように、EEC(End to End to Cheker)を用いて、3つのWebサーバに試験を行うことにより違いが明確になります。
 試験の環境は、次の図に示す通りです。クローズのネットワークにおいて、DC(Data Center)に設置してある3つのWebサーバに対して試験を行います。
【試験構成】
ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 試験構成


 ある日の試験結果を次に示します。
ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 試験結果

 一番シンプルなWEBアクセスの試験を行っています。同じWEBサーバですが、レスポンスタイムに違いがあることが分かります。
 WEBアクセスの場合、簡単な試験のレスポンスが、200ms や 300ms になっても一概に「体感で遅い」と感じることはありません。
しかしながら、ある程度遅延が大きくなってしまうと、エンドユーザでの使い勝手が悪くなりますので、シビアな監視が必要です。




3.EECの試験自体のパケットキャプチャーを実施

 それでは、次に簡単な試験を行った場合のこの3つのサーバのパケットの動きについて見ていきましょう。
 (具体的な試験コマンド wget --spider http://WEB-S_A/ )

 この簡単な試験では、クライアントとサーバ間で、10パケットのやり取りをしています。
3つのサーバのパケットキャプチャの結果を次に示します。

 最初に試験端末(EEC)より、パケットが発出され、被試験WEBサーバから応答があり、パケットのやり取りを行います。
ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 パケットキャプチャ WEB-S A
ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 パケットキャプチャ WEB-S B
ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 パケットキャプチャ WEB-S C

 まず、★印に注目して下さい。
  WEB-S A :0.009896
  WEB-S B :0.011011
  WEB-S C :0.009905

試験機器が、被試験WEBサーバにコネクションを張りに行き、その応答が★印の時間になります。
3つのサーバともほとんど差がありません。1行目と2行目は、通常のping試験(ping試験は、2パケットのやりとり)と同様の結果となります。

 それでは、①、②に注目して下さい。サーバからの応答に時間がかかっていることが分かります。
 サーバのアーキテクチャーの違いにより、この差が生じます。




4.遅延の原因で、NWの帯域が足りないのか、WEBサーバに問題があるのかの切り分け

 「3.EECの試験自体のパケットキャプチャーを実施」で行った試験結果より、ネットワーク(帯域、間に入る装置も含め)に問題があるのか、WEBサーバに問題があるかの大まかな把握ができます。

【ネットワーク(間に入る装置を含め)に原因があると考えられる場合】
 「3.」で示した、★印のレスポンスが速い場合は、ネットワーク的には、遅延なく処理を行っていることが分かります。
 WEB−S Bに注目して下さい。
ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 パケットキャプチャ WEBサーバ側遅延原因

 ネットワークの帯域不足の場合は、★印のところで遅延が発生します。他の時間帯、他のWEBサーバと比較することにより明確になります。


【WEBサーバにに原因があると考えられる場合】
 「3.」で示した、①のように、あるパケットの応答が遅くなる場合があります。
 WEB−S B に注目して下さい。
ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 パケットキャプチャ WEBサーバ側遅延原因

 本例では、①が、386ms 程度ですので、若干遅いぐらいですが、サーバにアクセスが集中してくると、この値が長くなってくることがあります。
第二パケットのレスポンス(★)が速く、①の部分のレスポンスが遅い場合は、
  ネットワーク関連ではなく、サーバに原因がある可能性が高くなります。
 アクセスが集中し待ち状態になる等、サーバインフラに原因がある可能性が高いと考えられます。

 次の例は、ある財団のサイトです。「WEBのアクセスが遅い」との問い合わせがありましたので、調査した結果です。
このサイトは、httpsのみの運用になっておりますので、https の簡単な試験を行った例です。
この試験の場合は、次に示すように、試験機器とWEBサーバの間で、21パケットのやりとりを行っています。

ITサービスレコーダー WEBのアクセス遅延の見える化 パケットキャプチャ WEBサーバ側遅延原因

 まず、★印の所に注目して下さい。約20ms と 速いレスポンスとなっています。これは、ping の試験結果とほぼ同じです。
 次に、①、②、③に注目して下さい。いづれも、WEBサーバからの応答で遅くなっております。

 このような場合には、ネットワーク(帯域)側と言うよりも、サーバ側の原因で遅延が発生している可能性が高くなります。




5.まとめ

 本ページでは、WEBサーバの遅延の原因究明方法について記述しました。
 EECを用いることにより、
  ・ネットワーク側に原因がある。
  ・サーバ側に原因がある。
 のおおよその切り分けができます。

 WEBは頻繁に利用されることが多くなり、単なるプロセス監視、ping 監視、port 監視では、エンドユーザの使い勝手の良し悪しが分かりません。
良い時のデータと、悪いときのデータを把握し、「お客さまの不満の限界値」を超えているのか、超えていないのかを常に見ていく必要があります。

遅延に関するお客さまの不満の限界値へリンク

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